ZILLY’s blog

過去のさまざまなブログを合体。新しくも書いていきます。

IVE ~ELEVEN MVを見て~

2021年12月1日に「IVE」がデビューしました。

そして、デビュー表題曲「ELEVEN」のMVが公開されたので、今日はそれを見たうえで、楽曲についての感想を書きたいと思います。

まず、 「ELEVEN」のMVが こちらです。

以前に「ive ~ポジションが?~」という記事を書いたのですが、その結論として、「今までのK-POPのスタイルを踏襲するわけではなく、ワールドスタンダードで売っていくよ。」ということではないか?と締めくくりました。

今回のMVを見て、より強くそういう方向性で行くのだなと思いました。

現在のワールドスタンダードな音楽の方向性は、「シンプルで洗練されている」ですが、下の3つが重要だと思っています。

① リズム主体
② 音数が少ない
③ 今までのPOPSのルールに縛られない

実際、「このままいくと、POPSはクリック音と歌だけになるのではないか?」と言われているくらいです。
※ クリック音:メトロノームなど、基準のリズムを示す音の事。

「ELEVEN」は正に上記3点に当てはまっていて、というか、ビックリするぐらいハマり過ぎていて、デビューから明確に方向性を打ち出してきたと言えるのではないでしょうか。

まず、① リズム主体 ですが、 イントロからリズムボックス押しで進んでいきます。

また、② 音数が少ない ですが、全編通してK-POPの特徴でもあるシンセリードなどの楽器による印象的なフレーズなどの装飾は排除されています。

③ 今までのPOPSのルールに縛られない では、曲中にテンポが変わるという手法が用いられています。

本来、クラッシックや民族音楽など音楽全体でみると、曲中にテンポが変わることは珍しい事ではありませんが、POPSの世界では基本的に曲中でテンポが変わるということはルール的に無しで、どうしても変える必要があるときは、転拍子を用いてきました。

もちろん、「ELEVEN」のテンポが落ちる、ラップの部分を楽譜に書く場合、転拍子で表現することも可能なのですが、通常は転拍子でテンポが変わる場合は、拍数が変わる(例えば歌詞の言葉数が変わる)のが一般的ですが、「ELEVEN」の場合は拍数が変わったというよりは、単純にスピードが落ちたと感じます。
※拍数が変わる転拍子例:「soratob ssakana/New Stranger」公式YoutubeチャンネルよりMV(サビでわかりやすく転拍子します)

上記のように「ELEVEN」は、K-POPとしては、非常に先進的で、意欲的な楽曲構成になっています。

この意欲的という意味では、「NiziU」の「Chopstick」も方向性は違いますが、とても意欲的です。

今までのK-POPの表題曲のイメージは、分かりやすくカッコイイやかわいいに振ったイメージですが、この曲はそういった単純な表現でなく、サンプリング(引用)や転拍子などを使って個性的なリズム表現をすることで音楽的にとても面白いものとなっています。

この流れは偶然ではなく、ここからK-POP全体の音楽が変わっていくのではないかと僕自身は感じています。

というのも、「BTS」や「BLACKPINK」によって、K-POPは世界中で知られ、聞かれるようになりました。

またもう一方で、K-POPの特徴である、ボーカル、ラップ、ダンス、ビジュアルとそれぞれポジションに分けられ、さらにその中も細かく、メインボーカル、リードボーカル、サイドボーカルという風に分業を行ない、それぞれの見せ場を全て詰め込んだゴージャスな音楽スタイルこそがK-POPスタイルで、それを突き詰めた究極版ともいえる「OH MY GIRL」が誕生し、また大きく成功したことで、K-POPは次のタームに入ったのではないかと感じています。

つまり、「IVE」の「ELEVEN」を皮切りに、12月14日にデビューする「Kep1er」や来年デビューが噂される、JYPの新ガールズグループや宮脇咲良を擁するHYBEの新ガールズグループなどや、これからカムバックするグループの多くは、今までより一歩進んだK-POPスタイルを模索していくことになるのではないかと個人的には思っています。

そして、すでにこの「IVE」の「ELEVEN」のMVを視聴した人のコメント等を見ると「豪華さが足りない」とか「盛り上がりに欠ける」とか「微妙…」といったネガティブな感想も散見されますが、これは当然だと思います。

なぜなら、今までのK-POPスタイルはゴージャスで全部盛りですから、「IVE」のワールドスタンダードなコンセプトは、K-POPが大好きな方から見ると「これじゃない」感をいだいてしまう人がいるのも納得です。

ただ、このまま今までのK-POPスタイルに固執すると、一年後、二年後には置いてけぼりになってしまう可能性もあります、というか、K-POPは日本などに比べて、「こっち!」と方向性が示されると一気に変わっていく印象があるので、僕は今 最初にスタートを切った「IVE」運営の決断は英断だと評価したいです。

それでは、今日はこの辺りで…