ZILLY’s blog

過去のさまざまなブログを合体。新しくも書いていきます。

事業経験 ~飲食業はレッドオーシャンではない?~

 前回、「コロナ以前も、世の中の多くの飲食店は、なんとか給料が捻出できる程度のお店が多く、また給料すら捻出できなくて、つぶれる店も非常に多い業界です。」と言いながらも、ホリエモンが「飲食はレッドオーシャンだと言われてたけど、実際やってみたらブルーオーシャンだった」と言っていた話について、「今では僕もそう思います。」といいました。

まあ、さすがにあれから飲食業をやっていない僕が、ブルーオーシャンとまでは言い切れないですが、少なくとも飲食業そのものがレッドオーシャンではないと思います。

自分自身が20代でチャレンジした飲食で苦い経験をした僕が、なぜホリエモンの言葉に同意できるのか…


飲食業界で、十分な知識や経験を得た後に、離れて客観的に飲食業を見た時、飲食業がレッドオーシャンになるのは、ある呪文のせいだと気付くのです。 ※オカルトとかではありません。

この呪文の恐ろしいところは、飲食業を始める人の多くが当たり前に思っていて、しかも意識していない人も無意識に刷り込まれているのです。

では、その呪文とはなにか?

ちなみに、この話を100%理解できれば、もしかすると飲食業のコンサルで食っていけるかもしれない、実はそんな有料級の話です。

それでは、 飲食業がレッドオーシャンになる、呪文とは。












それは、「安くて美味い店は流行る」です。

どうですか?、あなたは 「安くて美味い店は流行る」 と思いますか。

多分、潜在的に 「安くて美味い店は流行る」 と思っている人がほとんどではないでしょうか?

たしかに、飲食店を使う立場からしたら、流行っている店には安くて美味い店が多いと思うし、そんな店で食事したいと思いますよね?

では、実際はどうか、考えてみたいと思います。


例えば、ある商店街にフランス料理のビストロがあります。

夜の平均客単価は5000円のお店です。

手ごろな価格でフランス料理が楽しめ、しかも美味しいと評判でした。

しかし、最近客数が少しずつ落ちてきているので、今までやっていなかったランチに挑戦することにしました。

しかし、今のクオリティでランチとなると、ランチとはいえ食材に600円程度は使いたいので、普通に考えると2000円前後の価格設定になってしまいます。

しかし、斜め向かいのとても流行っている、おばちゃんがやっている定食屋さんの平均価格は850円程度です。

同じような価格帯にして、お客さんに流れて来て欲しいところですが、もしそれに合わせて850円のランチを出そうと思うと普通は食材費に300円以上は使えません、理想的には250円前後にしないといけません。

しかし、さすがに食材費300円以下では、このお店の良さを伝えられず、夜の集客には繋がらないのではないかと思います。

それで食材費は、仕入れなど色々頑張って通常600円程度かかるものを500円まで下げることが出来ました。

価格も「ランチは集客目的、儲けは考えない!」と割り切り、850円のメニューを3種類作り、しかも週替わりでメニューを変えることにしました。

「いや~、定食屋のおばちゃんには悪いけど、お客さんをいっぱい取っちゃうな~」なんて思いながら、ランチ営業開始日を迎えます。

予想通り、入店待ちも度々出来るほどたくさんのお客さんがやってきて、とても大変ではありましたが、同時に今まで味わったことがないくらいの充実感も感じました。

ところが一週間後には明らかに客足が減っていき、一か月後には、とてもランチが流行っている店とは言えない状況になってしまったのです…




どうでしょうか?

「そんなの時と場合によって全然違うだろ!」って思う人が多いでしょうか?

確かに、ケースバイケースで違ってきます。

上記と似たようなことをして、お客さんが絶えなくなったお店があってもおかしくはありません。

しかし、上記と似たようなケースの場合に最も多い結果は、「最初はうまく行ったと思ったのに、すぐに客足が遠のいていった。」ではないかと思います。

ここで言いたいのは「安くて美味い店安くてそれなりの味の店勝てるとは限らない。」ということです。

「美味い」や「安い」は必ずしも売れる要因ではないにも関わらず、多くの人が売れる要因と思ってしまっている。

それゆえに意識的、無意識的に関わらず安くて美味い店」という特徴多くの人が戦おうとする為、おのずとレッドオーシャンになってしまっているのです。

では、なぜ「安くて美味い店」は「安くてそれなりの味の店」に勝てないのか、明日はその事についてお話ししたいと思います。









それでは、今日はこのあたりで。