ZILLY’s blog

過去のさまざまなブログを合体。新しくも書いていきます。

事業経験 ~僕の飲食経営、失敗談~

事業経験 ~飲食業はレッドオーシャンではない?~」 や 「事業経験 ~安くて美味いは失敗の素~」で飲食店経営について偉そうなことを書いてましたが、飲食店経営にとって何が大切か分かるようになったのは、20代での宅配ピザチェーンの失敗経験があるからです。 ※失敗といっても会社をつぶした訳ではないのですが…

今日はその頃、経営していた宅配ピザ店での戦略、戦術で、何が間違っていたのか書きたいと思います。

まず、友人(社長)と会社を作り、最初は「ユーザー代行車検」をやっていましたが、そこそこには、やれていたものの、発展性がないと判断し、社長の「宅配ピザチェーン立ち上げ」の経験を活かし、宅配ピザチェーン店を始めます。

社長の経験と情報+僕の料理センスで、商品であるピザは、大手宅配ピザチェーンに負けない、いや当時競合していた宅配ピザチェーン店を凌ぐものが出来たと思います。

しかし、これが飲食で絶対にはまってはいけない呪文、「安くて美味い店は流行る」という呪文に、はまってしまう、きっかけだったのかもしれません。

この後、大手のまね出来ない低い出店費用※1安い食材費※2安い固定費※3を活かして半額セールを多発するという、薄利多売戦略に打って出てしまうのです。
※1教育費用のみで調査費用を含め出店費用には、ほとんど儲けを載せない。
※2本部の儲けは生地の粉代のみ。
※3ロイヤリティもほとんど取らない&半額セールはチラシの反応率が高いので宣伝広告費も下がる。

こんなに美味しくて、安いんだから売れない訳はない。」と自信満々に出店しました。

最初は狙い通り、半額セールチラシの宣伝効果ですごい数の注文を受けることになりますが、だんだんチラシの反応率が下がってきます。

こちらは「最初の半額の衝撃がなくなったからだろう」&「注文殺到時に配達が遅れたからだろう」と思っていましたが、反応率は下げ止まりません

考えてみると、実際に食べた人も、既存の宅配ピザ店と比べると著しくコスパが違うので、深層心理的に負担を感じ、注文サイクルが開いた人も多かったかもしれません。

メニューチラシには大手広告代理店の仕事をしているディレクターに依頼し、本格的なデザイナー、写真家、スタイリスト(食品専門)の体制で高級感のあるメニューに仕上げたのも、上記を考えると裏目だったのではないかと思いますし、半額セール多発はギャップがありすぎ、「嘘くさい&怪しい」という感覚を与えていたのではないかと思います。

 最初は経費を下げることで半額を達成していたので、チラシの写真と全く同じものを出していたのですが、食材費のコントロールは飲食店経営の」で、食材費率を上げるイコール閉店への一本道(利益が出ない)になってしまう為、チラシの反応率が下がり宣伝広告費が上がり、売り上げが落ち、出店費用返済額の経費に占める割合が上がると、食材費も削らざる負えない為、お客さんからすれば、「あれっ、やっぱりチラシより貧相じゃない?」という状況が生まれ、「この店は信用できない!」と更に負の連鎖が起こったのではないかと思います。

 それでも競合店と比べてみれば明らかにコスパは高いので、注文してくれるお客さんはいて、実際競合している大手チェーン店は翌年閉店するのですが、結局のところ、元々宅配ピザを注文していた顧客の取り合いを価格破壊で行ったという状態です。

つまり、今回のように競合店との勝負に勝ち、撤退に追い込んだ場合、本来得られるはずの利益を大幅に下げて手に入れたのです。

 価格破壊宅配ピザ業界に殴り込みをかけるなら、今まで宅配ピザを頼まなかかった層顧客を広げなければ本当の成功は手に入れられなかったのです。

しかし、当時はこの問題に気付きませんでした。

いや、正確には何となく気付いていましたが、もっと他のことに気を取られていたのです。

それは何かというと、競合する大手チェーンを撤退させたことで、加盟フランチャイザーを増やしやすい、つまり営業しやすい状況が生まれ、実際に店舗も増えていき、少ないながらも本部の利益も増えたからなのです。

つまり、明確な失敗なら気付きやすいですが、一見、成功にしか見えない状況ですので、うまく行っていると錯覚してしまうのです。

しかし、フランチャイザーの加盟、出店が頭打ちになった時に、現状の利益率の低さが大問題であることが露呈するのです。

その辺りについて、詳しくは「事業経験談 ~宅配ピザ 奮闘 編~」に書いていますので、よかったら見てください。









それでは、今日はこの辺りで。