ZILLY’s blog

過去のさまざまなブログを合体。新しくも書いていきます。

QUEENDOM2 ~Kep1erの失敗~

 ついに先週、QUEENDOM2の代表曲で争う第1次バトルで Kep1er を含む残り全員のステージ披露と、結果発表がありました。

 結論からいうと、メンバーのコロナ陽性発覚のため当日ステージ披露出来なかった 今月の少女(LOONA)を除く、評価された5組の中で Kep1er は4位でした。

 これは、非常に残念な順位で、失敗といえる結果だったと思います。

 しかし、「メンバーのパフォーマンスが悪かったのか?」と聞かれれば、そんなことはありませんでした。

 むしろ、オープニング映像の時と同じく、非常にクオリティーの高いパフォーマンスだったと思います。

では、「何が失敗だったのか?」と言われれば、「パフォーマンス以外全て」と感じました。

 正直、ひいき目なしで第1次バトルを評価した場合、僕は Kep1er は最下位だと思いました。

 

では、何がまずかったのか?

まず最初にステージ披露の順番を選択しましたが、Kep1er は3番目を選びました。

 これは、新人としては いただけません。

 本来なら一番手に立候補すべきだったと思います。

 一番手は、ステージの勝手がわからず、また強い印象を残さなければ、忘れられてしまうポジションですが、最初に自分たちの色でステージを染めることが出来れば、全体のイニシアティブを取れるポジションでもあります。

 また、ステージを締めくくるトリは、新人の Kep1er としては選びにくかったと思いますが、思い切ってトリを選ぶという選択もあったと思います。

 トリは、観客にすべての出演者と比べながら見られるポジションであり、また観客が疲れたり、飽きたりしている可能性もあり、大変なポジションではありますが、存在感を発揮できれば強い印象を残せるポジションです。

 Kep1er が選んだ3番手は、前に披露したグループがいるので、ある程度ステージや観客の感覚がつかめるかわりに、可もなく不可もなくといった安牌のポジションで新人が選べば「新人なのに勢いがない」と印象付けてしまうポジションです。

 

 そして、本番のステージを評価する上でのポイントを考えると、①選曲②楽曲アレンジ③コンセプト④セット&小物⑤衣装⑥振付⑦パフォーマンス が考えられます。

まず①の選曲ですが、代表曲、ヒット曲となると Kep1er の場合は「WA・DA・DA」しかありませんので、他に選択肢はないのですが、問題は②の楽曲アレンジです。

 前に記事(新人K-POPガールズグループ「Billlie」「IVE」「Kep1er」…  +番外編 GOT the beat)でも触れましたが、良くも悪くも「WA・DA・DA」は後付けしたようなサビが印象的な曲です。

良い意味ではキャッチーなサビが印象に残りやすく、悪い意味では他との調和が低いサビが音楽的クォリティーを下げています。

 「WA・DA・DA」のサブスクでの順位の低さも、このサビによる音楽的クォリティーの低下が原因で、音楽好きには支持されていないのではないかと感じてしまいます。

 ただし、このような印象の強いサビがあるおかげで、SNSYouTubeでの振付動画のヒットにもつながったのではないかと思います。

 正に「良くも悪くも…」という表現がピッタリです。

 つまり 何が言いたいのかというと、今回の楽曲アレンジでは、サビにブレイクを入れてリズムを変えているのですが、そんなことをすると、このサビのノリ良さが無くなってしまい、ただ楽曲クォリティを下げるという特徴のみが残ったサビになってしまったのです。

 もし、僕が楽曲アレンジを考えるとしたら、イントロは今回のアレンジでOKですが、最初はサビに行かず、サビを飛ばしてブリッジに流れるような構成にします、すると見ている観客は「あれっ、なんでサビに行かないの?」と思うのではないでしょうか。

 そして「もう、最後までサビには行かないんじゃないか?」と思わせる、2コーラス目まで繰り返しサビを飛ばした後で最後はサビのループで畳みかけ、会場の盛り上がりを最高潮まで持っていき、そのままエンディングを迎えるという方法を取るのが、今回のように観客の投票の比重が高いバトルでは効果的ではないかと思います。

 ただし、サビを飛ばす分だけ飽きさせないように、いつもと違うブリッジを挟んだりと曲の構成を変えることが大切です。

 そうすれば、いつもと違う構成による大きな楽曲変化で、観客側に「このアレンジでは、最後までサビには行かないんじゃないか?」という雰囲気が生まれてくると思うのです。

 そう思わせたらこっちのもので、無いかもしれないと残念に思っているところにサビのループを叩き込めば熱狂が生まれることは間違いありません。

 もちろん、これは一つのアイデアで、他にも有効な楽曲アレンジアイデアはあると思うのですが、実際に披露されたものは、勝敗を競うステージではあり得ないものでした…


次に③のコンセプトですが、今回レーサーコンセプトのようですが、これはなぜなのでしょう?

 そのレーサーコンセプトに合わせた、④セットですが、僕には、今回のバトルでのステージセットに使えるのは基本的にプロジェクションマッピングがほとんどなので、Kep1er としては宇宙の映像をどこかで使いたいというのがあり、絵ずら的に宇宙とカッコよくマッチするものを考えて、レーサーコンセプトになったのでは?と思ってしまいます。

 もしそうだとすると、ちょっと”浅はか”です。

 プロジェクションマッピングの特徴として、リアルな映像を映し出せる半面、平面的で物質的なリアル感というか手触り感が無い為、冷たい印象になってしまいます。

 つまり、宇宙の映像とレーサーコンセプトの高速感を表現した直線はカッコいい反面、冷たさを必要以上に与えるため、盛り上がりづらいとか、質感が無い(薄っぺらく見える)といったプロジェクションマッピングの弱点を強調します。

 今回のバトルでステージセットの使い方が非常に上手いと感じたのは ヒョリン のステージです。

 プロジェクションマッピングだけでは、ジャングルの映像も冷たく薄っぺらい感じが出てしまいますが、効果的に小物として本物の植物を持ち込んだことで、リアル感のあるプロジェクションマッピングのジャングル映像と同化し、質感に厚みがでました。

 プロジェクションマッピングに本物の植物、さらにふんだんに色彩を取り入れたダンサーの衣装、これだけ持ち込めば観客にリアルで情熱的なパラダイスのイメージが見事に伝わったと思います。

 また、Kep1er は小物としてフラッグを使いましたが、フラッグで何を表現したかったのかよく解らなかったし(強いて考えると、1着でゴールを切るといったイメージか?)、フラッグを使ったパフォーマンスは下手側の階段で行っていたため、放送の映像的には良いとしても、観客から見ると非常に狭いところに集まってハンディカメラの前で何かをしている感じで伝わりづらい上に、盛り下がります。

 これは、今回のルールである観客投票が60%なのを考えるとマイナス演出だと感じました。

 同じ小物でも「VIVIZ」の王冠や、宇宙少女(WJSN)の砂時計は曲の世界観やステージに非常にマッチしていて、砂時計が消えてしまう(壊れてしまう)トラブルでさえ「これはイリュージョンで何かの意味があるのではないか?」と勝手に考えてしまうくらい、とても上手い使い方でした。

 さらに⑤の衣装ですが、レーサーコンセプトの衣装は、下半身がダボダボの上にツナギの上着部分だけ脱いで下がっている部分も重なって、下半身の体形をボカしたような衣装になっています。

 これは、イントロのシャオティンユジンの美しいスタイルを生かした振付を殺してしまっています。

 いや、それ以前に、まず前提としてパフォーマンス力が売りの Kep1er にとって、体形をぼかす衣装、イコール動きのキレが損なわれる衣装なので、絶対にあり得ません。

 こんな最低限のことが出来ていないことに唖然としました。(といってもJYPとかも普通に演出を無視したダメ衣装を投入してくるのですが…)

 そして⑥の振付ですが、ほとんどの振付が新しくなっていましたが、これは労力が大変な割に収穫が少ないパターンです。

 特にフラッグの振付は、難しい割に見ている側には伝わらない感じでちょっと残念。

また、ヒカル のソロパートもスローの所とかバランスが難しく、非常に難易度は高いのですが、見てる側には伝わりづらい振付でした。

 さらに、サビの振付はSNSYouTubeでマネする動画が流行るくらい、多くの人に広まったわけですから、これを変えてしまっては観客の満足を引き出せません…

 ⑦のパフォーマンスについては、最初に言った通り素晴らしいものでした。

それだけに、それ以外の要素がすべて残念な結果になってしまっているのがもったいないというのが、正直な感想です。


 今回のステージを見て思ったのは、普段制作に関わっているスタッフは、このバトルに関してはあまり口を出したりせずに、メンバー達のアイデアに任せたのではないでしょうか?

 本当にプロのアイデアだとしたら、流石にここまでひどいことになるとは思えません。

なにしろ、オープニング映像は全てがとても素晴らしかったのですから。

 もしかすると、Queendom 2 の制作側から、基本的にはメンバーが演出等のアイデアを決めることで番組としての面白さが出ると考えられていて、そういった方向性でやって欲しいと要求があったのかもしれません。

 第1話で ヒョリン が自分で小道具の植物の買い出しに行くシーンがありましたが、「そういった小道具まで出演者が選んでいる」という事を視聴者に見せるという演出だったのかもしれません。

 そう考えると、やはりステージ演出まで考えられる経験がこの第1バトルでは非常に大きかったと言えるのではないでしょうか。

 しかし経験の少ない Kep1er に今後の可能性がない訳ではありません。

何故なら、Brave GirlsKep1er の評価を下回ってしまったのは、多分パフォーマンスの差だったのではないかと僕は思うのです。

 つまり、経験も大切だが、同時にパフォーマンス力も大きく評価に関わるのではないかと考えられます。

 Kep1er も次のバトルでは、この失敗を生かして挽回できれば、パフォーマンス力ではNo,1の Kep1er ですから、1位を取ってもおかしくないと思います。




 明日、4/14 21:10から ABEMA TV にて Queendom 2 第3話が放送されます。

第2バトルはペアになったグループとお互いの曲を入れ替えて戦うことになります。

 Kep1er がペアになるのは Brave Girls です。

真逆のイメージを持ったグループですが、それだけに面白いケミストリーが生まれるのではないかと期待出来ます。

 他にも、ベテラン ソロシンガーの ヒョリン はまさかの、最も人数が多い若手グループの 今月の少女(LOONA)を選びましたし、宇宙少女(WJSN)はイメージの近い GFRIEND をルーツに持つ VIVIZ を選びました。

さすが ヒョリン は解っているなと感じるケミストリーが生まれやすい選択ですし、第1バトル欠席で最下位になってしまった 今月の少女(LOONA)から見ると、ヒョリンSISTAR をルーツに持っているので非常に楽曲の選択肢が多く、挽回を図るには最適の組み合わせで、まさかとは思いますが、もし ヒョリン がそこまで考えてペアに 今月の少女(LOONA)を選んでいたとすると、ちょっと凄いですよね…





それでは、今日はこの辺りで…